3.スクラッチシールド塗装を磨く手順
準備が整ったら、いよいよ磨き作業の開始です。
ここでは、初心者でも取り組みやすい基本的な手順から、専門家が推奨する注意点までを解説し
ます。
「焦らず丁寧に進めること」で、思い通りの仕上がりを実現できます。
磨き方のポイントを押さえて、失敗しない磨き作業にチャレンジしてみましょう。

初心者でもできるベーシックな磨き方
初心者でも手軽に始められる磨き方として、手動での磨きをおすすめします。
まず、少量の研磨剤をクロスに取り、丁寧に円を描くように塗装面を磨いていきます。
軽く力を入れすぎず、優しく磨くことで塗装の保護を保ちつつ、表面を整えることができます。
均一に行うことで、ムラのない仕上がりが期待できます。
注意すべき磨きのポイント
磨きを行う際には、特定のポイントに集中しすぎず、均等な力で全体を優しく磨きましょう。
熱を持ちすぎないように注意し、こまめに損傷の有無を確認しながら進めるのがコツです。
また、一度に広範囲を磨こうとするのではなく、部分ごとに細かく区切って作業することで、仕
上がりがより均一になります。
失敗しないためのコツ
磨きの失敗を防ぐためには、何度も同じ箇所を磨かず、こまめな確認作業が肝心です。
手やポリッシャーが発する力を均一に保ち、特にエッジや凹凸部分への磨きには細心の注意を払
いましょう。
途中で疲れを感じたら無理せず休憩をとり、集中力を維持することもミスを防ぐために重要で
す。
初心者でも出来るポリッシャーでの磨き方
①研磨熱を上げない磨きをする
スクラッチシールドは熱の影響が大きいので、シングルポリッシャーのような高回転で研磨熱
の上がりやすいポリッシャーは使わないようにします。
研磨熱が発生しにくいサンダポリッシャーなどを使用すれば、初心者の方でも扱いやすいので
お勧めです。
特に、偏芯幅の小さい「RSE-1250」等がおススメです。
②コンパウンドは、切れの良い水性コンパウンドを使用します。
従来のコンパウンドは、研磨熱の発生も考えて潤滑性を考えた油性コンパウンドが主流でし
た。(私見ですが)
このようなコンパウンドでは研磨熱を抑えた磨きには適していません。
よって、研磨熱がほとんど出ない磨きでは潤滑性を極限まで抑えた水性コンパウンドを使用し
た方が作業効率も良くなります。
また、水性コンパウンドは研磨カスなどの排出性に優れているのでバフのメンテナンスもしや
すく、状態を確認しながらの作業も可能となります。
③研磨剤の適量使用:使用する研磨剤の量を適切に管理し、均一に磨くことが重要です。
④ポリッシャーの自重を基本的な圧力とし、必要以上に押さえつけないようにしてください。
ポリッシャーをしっかりと持ち、あまり強い圧力をかけずに、軽く当てるようにしバフが塗装
面に均一に圧力がかかるようにします。
力を入れすぎると塗装面にダメージを与える可能性があるので注意してください。
⑤回転数を調整する:適切な回転速度はポリッシャーやバフの種類、使用するコンパウンドによ
って異なります。
研磨し始めは低回転から始め、徐々に回転数を上げていきましょう。
⑥用途に合わせたバフの選択:状態に応じて毛足の短いバフやスポンジバフを使用するのも有効
です。
⑦バフ面を広く均一に当て、パネルの形状に合わせて適切な角度を保つようにします。
・バフを縦・横の順に動かし、磨きムラを防ぐ。
・バフの半分が重なるように動かします。
・適切な温度管理:磨く際は、適切な温度を保つようにし、摩擦熱を避けるために短時間で作
業を行います。
・バフの角度に注意する:研磨面に対してバフを水平に保ち、バフの片側を浮かせずに少し軽
く圧を掛けるイメージで磨くと、的確な研磨ができます。
・常にゆったりとしたスピードで移動しながら磨き、同じ場所で止まらないようにする。
・パネルごとに作業する:一度に広い範囲を磨こうとせず、パネルごとに作業することで、磨
き剤の乾燥を防ぎ、バフの絡まりを軽減できます。
⑧バフのメンテナンス
・バフをこまめにクリーニングする:バフクリーナーやブラシを使って、コンパウンドや汚れ
を落としましょう。
・劣化したバフは交換する:バフが古くなったり、毛羽立っている場合や潰れたり、汚れが落
ちにくくなったバフは新しいものに交換しましょう。
・良質なバフの使用:質の良い、適切なバフを選ぶことが重要です。
・バフが汚れた状態で使い続けない:バフが汚れると研磨カスなどがバフに凝着して、研磨熱
を上げ、さらに深い傷が入る危険性も高まり、きれいな仕上げが難しくなります。
⑨コンパウンドの量を調整する
・適量のコンパウンドを使用し、足りなくなったら適宜追加しましょう。
・バフの表面全体に十分な量のコンパウンドを塗布します。
・作業中にコンパウンドが乾いてきたら、少量のコンパウンドを追加するか、作業範囲を狭く
して、コンパウンドが乾く前に作業を完了させます。
・塗装の状態や目的に合ったコンパウンドを選びます。
4.磨き中によくあるトラブルと解決法
磨き作業中には、慎重に進めていても思いがけないトラブルが発生することがあります。
ここでは、よくある問題とその対策を、より分かりやすく、具体的な対策案も交えて紹介しま
す。
事前に対応策を知っておくことで、トラブルが発生しても冷静に対処し、作業をスムーズに進め
ることができます。
理解を深め、安心して磨きに挑みましょう。
傷がついてしまった場合の対処法
磨き作業中に誤って傷をつけてしまった場合でも、慌てずに適切な対処をすれば修復できる可能
性があります。
・ポイント:傷の修復は、早めに対処することが重要です。
放置すると、傷が目立つようになり、修復が困難になる場合があります。
・状況確認:まずは、傷の深さや大きさ、周囲への影響を確認します。
・軽度の傷の場合:傷が浅く、研磨範囲も狭い場合は、目立ちにくくするために適切な研磨
剤を使用し、再度慎重に優しく研磨する方法があります。
適切な研磨剤を選び、力加減に注意しながら丁寧に磨き直しましょう。
・傷が深い場合:傷が深く、広範囲に及ぶ場合は、無理な対処は避け、プロの助けを求める
ことも視野に入れましょう。
ムラができたときの修正方法
磨きによって表面にムラができてしまった時は、以下の手順で修正を試みましょう。
《対策》
手順1.原因の特定:磨き作業後、表面にムラができてしまうことがあります。
ムラの原因は、研磨剤の量、磨き方、下地処理などが考えられるので、
原因を特定し、適切な対策を取りましょう。
手順2.研磨剤の調整:ムラの出ている部分に、適量の研磨剤を補充します。
手順3.均一に磨く:力加減を調整し、ムラがなくなるまで丁寧に磨きます。
部分的に力を入れすぎず、均一に研磨することが重要です。
手順4.仕上げ:ムラが解消したら、研磨剤を洗い流し、柔らかい乾いた布で傷を入れないよ
うにやさしく拭いて仕上げます。
《ポイント》
ムラを修正する際は、焦らず少しずつ作業を進めることが重要です。
磨きすぎた時のリカバリー
磨きすぎてしまった場合には、過剰な研磨剤の使用を避け、過度な表面処理を行わないように
注意が必要です。
《対策》
もしも磨きが過剰になってしまった場合は、追加のコートを施すか、プロフェッショナルに相談
して修正してもらうことが最適な対策です。
自己判断を避け、専門家の意見を積極的に活用することをおすすめします。
次の対応策を参考に、磨き作業を安心して進めてください。
磨きすぎると、表面が薄くなったり、変色したりする可能性があります。
・状況確認:まずは、磨きすぎた範囲と程度を確認します。
・軽度の磨きすぎの場合:表面に影響が少ない場合は、追加のコーティングを施すことで、
保護することができます。
・重度の磨きすぎの場合:表面が薄くなったり、変色したりしている場合は、プロに相談
し、適切な修復方法を検討する必要があります。
《ポイント》
磨きすぎは、素材にダメージを与え、修復が困難になる場合もあるため注意が必要です。
不安な場合は、プロに相談することをおすすめします。
《予防のために》
・研磨作業の都度、進行状況および状態をチェックします。
・適切な研磨剤の使用量をチェックします
・無理な力を入れずに、できればポリッシャーの自重程度での施工を心掛ける
これらのトラブル対処法を事前に理解することで、より安全で効果的な磨き作業が可能になり
ます。
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