「ポリッシャーを買ったはいいけど、どう使えばいいの?」「バフとコンパウンドの組み合わせって、
正解があるの?」
そんな悩みを抱えている方は少なくありません。
実は、ポリッシャー磨きの成功の80%は、正しい組み合わせを知っているかどうかで決まります。
この記事では、ポリッシャー、バフ、コンパウンドの基本を初心者向けに丁寧に解説しています。
傷の程度に応じた最適なバフ選び、コンパウンドの使い分け方、そして失敗しないための具体的なス
テップまで。
面倒な試行錯誤は必要ありません。
愛車の塗装を美しく仕上げるための具体的な手順を体験してみましょう。
まずはポリッシャーと相性の良いバフやコンパウンドを選び、それぞれの特徴を理解することからス
タート。
実際に試してみれば、あなたもきっとその爽快感と結果の魅力に虜になるでしょう。
愛車の輝きを取り戻す第一歩を、一緒に踏み出しましょう。
8.ポリッシャーについて
ポリッシャーは、表面を滑らかに仕上げるための強力なツールです。
車の磨きには、大きく分けてシングルポリッシャーとダブルアクションポリッシャーの2種類がありま
す。
それぞれの特徴を理解して、適切なポリッシャーを選びましょう。
ここでは、ポリッシャーの種類とそれぞれの特性について説明します。
◆シングルポリッシャー

シングルポリッシャーは研削力が強く、回転軸が固定されているため、規則的な傷が入りやす
く、磨き跡が目立ちやすいのが特徴です。
回転数は1000回転程度で使用しますが、高速回転になると研磨熱が上がりやすいため注意が必要
です。
初心者には扱いが難しいので、あまりおすすめできません。
◆ダブルアクションポリッシャー

ダブルアクションポリッシャーは、回転軸が固定されておらず、偏芯しながら回転するため、研
磨傷が分散され、深いバフ目やオーロラマークができにくいのが特徴です。
トルクはシングルポリッシャーに比べて弱いため、塗肌の調整研磨やペーパー傷の除去には不向
きと考えられがちですが、トルクの弱さはコンパウンドでカバーできます。
過研磨やオーロラマーク(磨き傷)防止に効果的で、焼きのあまい塗膜や、耐擦り傷性クリア塗装な
ど研磨時に熱が出やすい場合に最適です。
初心者の方にもおすすめです。
9.「削る」磨きと「仕上げる」磨き
磨きには、「削る」磨きと「仕上げる」磨きがあります。
それぞれ目的と方法が異なるため、理解しておきましょう。
コーティング業者は「削り」が苦手で、塗装業者は「仕上げ」を難しく感じることが多いようです。
しかし、回転調整可能なポリッシャーを使えば、いずれの磨き方も効率よく行うことができます。
・「削る」磨き:バフを傾けて、磨きたい部分に少し圧をかけながら、ポリッシャーの移動速度を遅く
して一定の速度で磨きます。
深い傷や汚れを落とす際に使用します。
・「仕上げる」磨き:バフの面全体を使って、ポリッシャーの自重程度の圧で、移動速度を速くしま
す。
塗装面を滑らかにし、ツヤを出す際に使用します。
10.磨きの手順
磨きの手順を理解することは、美しい仕上がりを得るために欠かせません。
また、磨きを始める際は、作業工程をあらかじめしっかりと決めておくことが大切です。
塗装のコンディションが悪ければ、磨きづらくなるし、逆に良ければ研磨作業も楽になるので、まず
は、塗装の汚れなどをしっかりと落としてからコンディションを整え磨く方法を判断します。
手順1.先ずは整える:塗装の汚れを出来る限り落とし、塗装の状態を確認してから磨く方法を判断
します。
手順2.工程を考える:小さな粒子でも傷は入りますが、できる限り削る量を抑える磨きの工程を考
えます。
手順3.ペーパー傷を落とす場合や、肌を落とす場合は、まずはウールバフと細目もしくは極細目で
8割がたを目安に磨き、超微粒子とスポンジバフで全工程の磨き傷を除去し、全体を均して
鏡面にすると仕上げも良くなります。
《磨く際のポイント》
・3段階で仕上げる:ウールバフと細かいコンパウンドで傷を除去し、スポンジバフと超微粒子など
の全工程よりも小さめのコンパウンドで磨き傷を除去してから鏡面仕上げをし
ます。
・範囲を広げず丁寧に:磨く範囲は50~60cm四方ごとに磨いていき、各工程の時間配分を工夫することで
磨き全体の作業時間は短くし、仕上がりのバラつきも少なくなります。
・傷を除去する工程では、バフをゆっくりと移動させ同じ場所を磨く回数を増やすことで効率よく磨
くことができます。
また、コンパウンドは小出しで付けるより少し多めにつけて長く磨く方が効果的です。
・仕上げ時は徐々に圧を緩めながら回転速度(オービタルサンダポリッシャーの場合、圧を緩める事
で回転速度は増します)と移動速度を上げます。
・コンパウンドの量は、多くつけたほうがよく削れますが付けすぎると飛散する恐れがあり、また仕
上げの段階ではなかなかすっきりとなりません。
・コンパウンドが少なければすぐに乾き研磨カスが凝集し、研磨熱も起こりやすくなるので傷が入り
やすくなります。
・丁寧に伸ばして慣らし磨きをしてから、やや力をかけて磨けば絡みもなくスムーズに磨けます。
・バフの表面が少し湿らせた状態で磨くのが作業効率は良くなります。
・スポンジバフは音が出だしたら終了するか、磨きが足らないようであれば適宜コンパウンドを補充
するか、霧吹きなどをしながら透明感が出てくるまで磨きます。
【ポイント】
・最初に極細目(M cut、PF cut)で軽く部分的に磨いてみる。
・ペーパー傷は細目(Hard Clear)でピンポイントで磨く。→時短狙い
・肌を落とし過ぎて目立たないように。
※基本、極細目で一連の磨きをするのが理想。
11.バフのクリーニング法
バフの正しいクリーニングは、優れた磨きの結果を保つために重要です。
《ウールバフのメンテナンス方法》
・作業後、バフをしっかりと濡らしてナイロンブラシで表面の汚れを取り、流水、もしくは高圧洗
浄機できれいに洗い流します。
・洗浄後は、日陰にて乾燥させます。
・作業中のクリーニングでは、ブラッシングをしてからエアブローするか、作業後のクリーニング
後にポリッシャーに付けて空回しをして脱水しながら使います。
(この方法は結構作業性が良いです)
《スポンジバフのメンテナンス方法》
・作業中は簡単なブラシ掛けか、きれいなバフと交換しながら作業をします。
・作業後は水につけて洗剤とブラシで洗い、さらにもみ洗いをし、流水にてしっかりと洗い流して
絞り、日陰にてしっかりと乾かします。
作業中では、ウールバフと同じ方法をとると良いでしょう。
12.バフが絡む原因
・一番の原因は、塗装面の汚れなど不純物が残っている場合です。
作業面はしっかりと汚れを除去しましょう。
・バフが汚れた状態で磨き続ける。
・磨く際に力を掛け過ぎて研磨熱が上昇した状態で磨き続ける。
・バフが乾いた状態で磨き続ける。
13.ウールバフの使い分けについて
ウールバフは強力な研削力で知られています。
・初期研磨:硬い塗装には毛先の短いバフを使用。
(通常は、抑熱研磨法では、傷の除去は毛先が10㎜のW-125をオススメしています)
・仕上げ:肌を残す場合には、毛先の長いバフがおすすめです。
(抑熱研磨法では、仕上げの場合も毛先が10㎜のW-125をオススメしています)
14.研磨熱に関して
研磨熱は仕上がりに大きく影響します。
手で触れて暖かく感じた場合40℃、熱い場合60℃以上です。
過度な熱をかけると、冷えた時に傷が戻る場合があるので注意が必要です。
※塗料メーカーの話では、40℃位から塗装が軟化し始めるそうです。
15.傷の除去方法
傷の状態と塗膜の硬さによって、適切なコンパウンドとバフを選びましょう。
①ペーパー処理と肌調整
→ウールバフ+細目(Hard Clear)=全体にバフ傷が入った状態
②ペーパー傷の取り残しと細目のバフ傷の処理
→ウールバフ+極細目(M cut、PF cut)=全体のバフ傷が浅くなった状態
③②のバフ傷がスポンジバフで取れない場合
→仕上げ用ウールバフ+超微粒子(S cut)の後、スポンジ+超微粒子(G cut)で仕上げ
④②のバフ傷がスポンジバフで取れた場合
→スポンジバフ+超微粒子(G cut)でさらに鏡面にしてツヤを出す。
柔らかい塗膜や乾燥が甘い塗膜の場合の最終仕上げ段階では、コンパウンド粒子が細かくなるほどバ
フの絡みが気になり、ウールバフのバフ傷も入りやすくなる。
⇒研磨力よりもオービットの小さいダブルで研磨熱を抑えてスムーズに磨くことを優先する。(時間
をかけて気長に)

最後まで読んでいただきありがとうございました。
いかがですか?
ご自分でも「できそうだ!」と思っていただけましたか?
コメント