あなたが「愛車を常にきれいにしていたい」と思いながらいつものメンテナンスをする中で、
特に「軟らかい塗装の仕上げは難しい」と苦労していませんか?
車の塗装が傷つきやすいのは多くの要因があるわけですが、実際にはその要因が何なのかはあまり分かりませんよね。
そこで今回は、軟らかい塗装を磨くときによく直面する問題について詳しく解説し、それを解決する方法をお伝えします。
これを読めば、車磨き傷を防ぎつつ美しい光沢を実現するための自信を持つことができるでしょう。
基本の「キ」:まずは洗車
磨く前には必ず車についた粉塵や鉄粉、汚れなどの異物を出来るだけきれいに除去しましょう。
《磨き傷の原因は汚れなどの異物》
車で走っていると路上に落ちたオイル分や、スモッグなどの油汚れが付きます。
これは汚れを引き込んで水垢になったりします。
これらが徐々にバフに凝着して傷を入れる原因になることは往々にしてあるんです。
凝着が進むことによって深い傷が入る危険性は高くなります。
だから、これらを出来るだけ除去することで滑らかで効率の良い磨きができる訳です。
原因1.過度な圧力をかけすぎている
軟らかい塗装を磨く際(柔らかい塗装だけでなく一般的に)についつい集中して部分的に過度な圧力をかけてしまう場合があります。
特にシングルポリッシャーなどで磨く場合、過度な圧力をかけると高い研磨熱が出て、塗装を更に柔らかくし、逆に塗装面にダメージを与え、磨き傷が発生する場合があります。
《過度の圧力をかけずに磨く方法》
ポリッシャーの自重を基本とし、低速回転で(あまり低速すぎるとポリッシャーが焼き付くので注意してください)必要以上に押さえつけないことを心掛けて磨きます。
過剰な圧力を避けることで、研磨熱の発生を抑え、塗装面を傷つけないだけでなく、磨きムラを防ぎ、均一な仕上がりを実現します。
原因2.バフを傾けすぎている
バフを適切に平行に押さえていないと、塗装表面に不均一な圧力がかかり、車磨き傷や磨きムラの原因となります。
《磨き傷を出さないバフの当て方》
バフ面を広く均一に当て、パネルの形状に合わせて適切な角度を維持することが重要です。
もし、バフを傾けて磨きたい場合は、バフの半面に少し圧を掛ける感じで、圧を掛けない側の半面が作業面から浮かないように気を付けて磨けばよいでしょう。
まずこの方法は、圧を掛けた側の面(赤いグラデーション部分)が的確に磨けるので私としてはお勧めです。

上図のように磨いていくことによってバフで磨いた後から研磨カスも除去していくので、作業の進捗状況を確認しながら磨きができ一挙両得です。
ただしこの作業が出来るのは研磨カスなどの排出性の良いコンパウンドを使った場合に限られます。
また、バフを縦・横に動かしてムラを防ぎ、均一な磨き作業を行うことで美しい仕上がりを得ることができます。

原因3. 同じ場所で止まりすぎている
ポリッシャーが同じ場所で長時間停止してしまうと、塗装に過度の熱と磨き傷を与えることになり、傷が入りやすくなったり、バフが絡んだり、焼き付きの原因にもなります。(原因1.を参照)
《スムーズな車磨きのためのポリッシャーの移動法》
ポリッシャーを常に一定な速度で移動しながら磨くことが重要です。
一定の速度で移動し続けることを意識し、特定の場所で止まらないようにすることで、均一な輝きを保ちつつ、熱によるダメージを防ぐことができます。
原因4.バフの移動速度が遅すぎる
バフの移動速度が遅いと、摩擦熱で塗装が傷つくリスクがあります。
《バフとポリッシャーの移動は同じです》
ゆったりとしたスピードながらも遅すぎない適度の速さでポリッシャーを移動させながら磨くことがポイントです。
適正な速度を保つことで、塗装面に均一な圧力をかけ、傷を防ぎながら光沢を出すことができるでしょう。
初心者は、研磨熱の出にくいサンダポリッシャーなどで、ゆっくりと移動させながら磨くことをお勧めします。
原因5.車磨きの作業効率はコンパウンドの選択も重要です
磨く際にバフが絡んだり、コンパウンドがバフに固着すると、研磨熱が上昇したり、傷が入る原因となります。
《車磨きを効率よく進めるためのコンパウンドの選択》

シングルポリッシャーで磨く時にはほとんどが潤滑性のある油性コンパウンドを使用されていると思います。
油性コンパウンドって粘度があって、研磨カスはあまりでなくないですか?
研磨カスがあまり出ないと言う事は、バフに付着していると言う事では?
このように排出性が悪いと、バフがすぐに目詰まりを起こし、研磨熱が上昇して塗装が柔らかくなり、バフに凝着した異物で深い傷が入りやすくなったり、焼き付きを起こします。
これを防いで、効率の良い磨きをするためには、水性コンパウンドのような粘度の低い、研磨カスなどの排出性の良いものを使用することをお勧めします。
水性コンパウンドなら、研磨熱の出にくいサンダポリッシャーで磨いても効率の良い車磨きができるのです。
しかも、光沢のある奇麗な仕上がりが得られるのです。
まとめ
軟らかい塗装の磨き作業は注意が必要ですが、適切な方法を用いればその悩みを解消することができます。
過度な圧力をかけたり、バフを傾けすぎたりすることなく、適切な技術を用いることで、愛車の美しい光沢を保つことが可能です。
このガイドを参考にして、これまで以上に効率的で安全な磨き作業を実践してみてください。
車磨き傷に対する対策をしっかりと学び、プロのような仕上がりを目指しましょう。
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