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私がコンパウンドに関わるようになったきっかけ

2004年ごろだったと思いますが、コーティングショップをされているお客様から「うちで開発した水性コンパウンドを売らないか」とのお誘いがあり、

当時の私は全く磨きの経験が無かったために、その社長に車一台を使って磨きの基本を教えていただくこととなったのです。

社長の教え方が上手だったのか一台仕上げるだけで基本を大まかにも理解することが出来ました。

この基本的な経験をもとに、まずはデモを中心に鈑金塗装業界に売り込むこととしました。(この当時は恐れを知らなかったんです)

これが私がコンパウンドを扱うきっかけとなり、磨きのスキルを磨くためのスタートラインとなったのです。

新規開拓で現場の状況や磨きのトラブルを知る

主に広島をはじめ山口、島根の約700~800社の主に鈑金塗装工場をはじめとして、ディテーリング業界、中古車販売、整備工場などにデモをご覧いただき、

新規開拓をしながら販売していきました。

鈑金工場のデモでは塗装したてのパネルや汚れを雑巾で拭いた程度のパネルでのデモが多く、しかも暗い所やほこりの多いところでデモをすることが多かったために

(今考えてみれば、条件的に厳しいデモだったと思います)

汚れと研磨カスなどが凝固して深い傷が入ったり、焼付き、バフへのカラミなど様々なトラブルを経験をさせていただきました。

売り込みに行ったのに、逆に私がわからないところは教えてもいただきました。

この時は、特に塗装について教えていただくことが多かったように思います。

新規開拓の厳しさを知る

話を聞いてもらえたのは訪問数の約8割。

更にデモをさせていただけたのが8割中4割。

そのデモをさせていただいた中の9割位に導入していただくことが出来たのです。

総訪問数の約3割の受注率です。

デモの時は喜んで導入してくれたのに・・・。

しかしながら導入していただいたとはいえ、後日訪問してみると使われていないのです。

「なぜですか?」と尋ねてみると。

「デモの時はうまくいったんだけど、自分がやるとうまくできないので使っていない。」

「デモで使ったコンパウンドと違うんじゃないのか?」

とまで言われたところもありました。

原因は、デモの時にやり方をお教えしたにもかかわらず我流に走ったのが原因と分かったのです。

これらの経験が今後の商品開発とお客様へのサポートの役に立つことになる

今振り返ると、幸いにもこれらの経験が功を奏し、磨きの時に発生するトラブルやお客様が抱えている問題点や希望などを知ることができたのです。

これまでに蓄えた経験と知識が、お客様への様々なトラブルに対して的確でリアルタイムな対処法のアドバイスを可能とし、

後でご紹介させていただく「抑熱研磨法」と、専用のコンパウンド、バフの開発へのきっかけとなったのです。

言い換えれば、これらの経験が、弊社の商品開発や企画、またお客様への技術的なサポート方法において大きな「糧」となっております。

余談ですが、

物事を新たに習得し、自分のものにしていく過程を示す言葉に「守破離」と言う言葉があります。

 まず、「守」とは、言われたこと(基本)をまず忠実に守って基礎を身に着ける。

 そして、「破」とは、身に着けた基本を少しずつ自分に合うように部分的に改良しアレンジしてみる。

 最後に、「離」自分なりのやり方をレベルアップさせて自分が最もやりやすい自分独自の手法を生み出す。

と言う意味です。

まず未知な事を経験するのに一番重要なのは「守」だと思います。

基本がわからないとこれから先ご自分がどのようにしてスキルを上げていくのかの方向付けが出来ないですよね。

だから弊社も「守破離」のごとく、磨きについて「きっかけづくりとご自分の手法を見出すまでのお手伝いが出来れば」と考え、

そのための商品開発や技術改革を目指しています。

今までの磨きの概念を覆す「抑熱研磨法」とは?

私が新規開拓をしているころは、「バフ傷」をはじめとする磨きをする際の多くのトラブルは、ほとんどの方々が「研磨剤や磨き方のせい」と考えていたようで、

私の感ずる限りでは誰一人も「研磨熱が原因」と思っていないようでした。
          (「焼き付き」に関しては多少思われていたかもしれません)

しかし、私は、今までやってきた新規開拓のデモから、バフ傷や焼き付きなど多くのトラブルは磨く際に出る摩擦熱、つまり「研磨熱が大きな原因では?」と考えるようになったのです。

そこで、塗料メーカーに問い合わせたところ「40度くらいから塗装が柔らかくなる」ということを教えていただきました。

これが塗料メーカーさんに問い合わせた「内容と回答」です。

シングルポリッシャーで磨いた場合、80℃、90℃程度は気を抜けばすぐに出てしまうのです。

だから、多くの方がうまく仕上げられないのです。

(詳しくは、このブログで追々取り上げていきたいと思います。私の他のブログでは結構ご紹介させていただいていますが)

また、従来のコンパウンドに含まれる溶剤による支障もわかってきました。

これらの経験と情報を基に、熱を抑えた磨き、「抑熱研磨法」を確立したのです。

磨きの全くの素人の方でも独習できる「抑熱研磨法独習シリーズ」

熱を出さない磨きでは、従来の潤滑性の良いコンパウンドでは切れが悪くなるために、

溶剤などの滑剤を極限まで減らせて熱に頼らなくても今までと同様の作業性が得られる、

「抑熱研磨法」専用の水性研磨剤「TAKUMI OPS PROシリーズ」を2010年に開発し、

併せて、専用のウールバフとスポンジバフも作り上げました。

この専用研磨剤とバフにより、なかなかうまく磨けなかった方でも比較的楽に磨きが出来、高品質の仕上げが得られる、

しかも塗装を選ばない磨きを可能にしました。

しかしながら、材料の提供だけでは技術的に個人差があるためにいくら良い研磨法でも、いくら良い材料でも、

間違えたやり方だといい結果は得られません。

また、磨きの経験のない方が、独学で学ぼうとしてもどれから手を付けてよいのかがわからないと思います。

そのような方々向けに正しい「抑熱研磨法」を学んでいただくために、

全くの磨きの素人だった私の経験をもとに磨き全般を順を追って一人で学べるように編集したマニュアルを付けた独習セットを作ったのです。

多分、こんな磨きの教材は、今までどこにもなかったと思います。

このブログでは、磨きがうまくいかない方や、磨きを習いたい素人の方々を対象に技術や情報などを取り上げて、

ご紹介していきたいと思います。

たまに、コーティングや、そのメンテナンスについても掲載したいと思います。

宜しくお願いいたします。

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