「車を自分で磨いてみたい。でも、失敗するのが怖い。」
そう感じている方は、決して少なくありません。
・ポリッシャーを使ったら塗装を傷めるのではないか。
・コンパウンドを選び間違えたら、逆に曇ってしまうのではないか。
・磨いているうちに、バフ目が増えてしまったらどうしよう。
実は、私自身も最初から車磨きができたわけではありません。
車磨きの知識は、ほとんどありませんでした。
最初に受けた研修も、お客様に教えてもらった、たった1日だけ。
そこからいきなり現場に出て、デモをしながら新規開拓。
当時は、ほとんど使われていない水性コンパウンドと熱の出やすいシングルポリッシャーでデモ。
慣れている方でも扱いにくい組み合わせでした。
だから、たくさん失敗し、多くの疑問を持ち、何度も試して、また失敗する。
その繰り返しを20年以上続けてきました。
そして分かったことがあります。
車磨きが難しいのは、初心者だからではありません。
「なぜ、そうするのか」を知らないから
なのです。
この記事では、私自身が初心者から現場経験を積み重ねる中でたどり着いた「抑熱研磨法」という
考え方と、なぜそれを初心者でも学べるマニュアルとして体系化したのかをお伝えします。
私も最初は、車磨きの知識ゼロでした
今では「抑熱研磨法」という考え方をお伝えしていますが、最初から特別な技術を持っていたわけ
ではありません。
私も、車磨きについては何も知らない初心者でした。
きっかけは、ディテーリングを営む社長から
「私が作った水性コンパウンドを売ってみないか?」と
当時ではあまり使っているところがほとんどなかった水性コンパウンドの販売を勧められ
たことでした。
それと社長が吟味したバフを抱き合わせての販売でした。
「私は全く経験も知識もないんですよ。」
というと、「心配ない、私が教えてあげる」と。
車1台を使っての講習でした。
1日の研修で、即、デモをしながらの新規開拓です。
実際のお客様のところへ行き、デモをしながら失敗を重ね、また、現場で質問され、分か
らないことを現場に聞いたり、自分で調べ、実際に試す。
そんな毎日が始まりました。
当然、最初からすべてがうまくいったわけではありません。
むしろ、分からないことばかりでした。
しかし、分からないからこそ、一つひとつの結果について「なぜ?」と考えるようになりました。

現場に出ると、「同じなのに違う」が増えていった
現場経験を積むほど、分からないことが増えていきました。
・同じコンパウンドを使っている。
・同じようなバフを使っている。
・同じようなポリッシャーを使っている。
それなのに、
「傷が消える場合」と「消えない場合」がある。
「艶が出る場合」と「曇る場合」がある。
さらに、
磨いたことで新しいバフ目が目立つこともある。
最初は、コンパウンドやバフ、ポリッシャーの違いを疑いました。
が、その時点でわかったことは、
・デモしたパネルが汚れていたこと。
・バフが汚れたままで磨いていること。
しかし、それだけでは説明できません。
そこで、私は道具ではなく、その道具が触れている「塗装面」に目を向けるようになりました。

磨いている塗装面では、何が起きているのか?
当時はほとんどがシングルポリッシャーを使っていたのです。
たまに仕上げにギアアクションやダブルアクションポリッシャーを使っていました。
ポリッシャーで塗装を磨けば、当然、バフと塗装面の間に摩擦が生まれます。
そして摩擦が生まれれば、熱も発生します。
熱が発生すれば塗装も柔らかくなります。
柔らかくなれば削りやすくはなりますが、逆に傷も入りやすくなります。
ある時塗料メーカーに、「塗装が軟らかくなるのは何度くらいからですか?」と問い合わせたことが
あります。
帰ってきた答えは、「50℃前後から柔らかくなる」とのこと。
シングルポリッシャーではすぐにそのくらい、いやそれ以上の熱が出ます。
しかし、ここで大切なのは、
「熱をゼロにする」
ということではありません。
研磨をする以上、熱の発生そのものを完全になくすことはできません。
重要なのは、
必要以上に熱を蓄積させないこと。
そのとき塗装面がどのような状態になっているのかを判断すること
です。
・ポリッシャーの動かし方。
・回転や駆動。
・バフの種類。
・コンパウンド。
・押し付ける力。
・一か所にかける時間。
・塗装そのものの状態。
これらが組み合わさって、実際の研磨状態が決まります。
つまり、車磨きは単純に「傷を削る作業」ではありません。
塗装の状態を見ながら、研磨条件を調整していく作業
なのです。

20年以上の試行錯誤から「抑熱研磨法」へ
・新車の塗装。
・補修された塗装。
・経年した塗装。
さまざまな車を磨いていく中で、同じメーカー、同じ色、同じ道具であっても、結果が同じになる
とは限らないことを経験してきました。
そこで重要になったのが、
「今、この塗装面では何が起きているのか?」
という判断です。
・必要以上に熱を蓄積させない。
・塗装の状態を見る。
・研磨状態を判断する。
・必要なら方法を変える。
そして、
・必要以上に磨かない。
こうした考え方を積み重ね、体系化したものが「抑熱研磨法」です。
これは「熱を発生させない研磨法」ではありません。
研磨によって発生する熱を理解し、不要な熱の蓄積を抑えながら、塗装の状態に合わせて磨きを判
断するための考え方です。
「道具の使い方」だけでは、磨きは上達しない
車磨きを始めると、多くの人は最初に道具を探します。
・どのポリッシャーがいい?
・どのコンパウンドがいい?
・どのバフを使えば傷が消える?
もちろん道具を知ることは大切です。
しかし、道具だけでは結果を安定させることはできません。
なぜなら、同じ道具を使っても、塗装の状態や研磨条件が変われば結果も変わるからです。
大切なのは、
「この状態なら、なぜこの方法なのか?」を判断できること。
そして、
「ここまでで止める」という判断ができること
です。
車磨きで本当に身につけたいのは、単なる作業手順ではありません。
「答えを教えてもらうこと」ではなく、
「自分で答えを導き出せるようになること」
なのです。

だから「抑熱研磨法独習シリーズ」を作りました
私自身、最初から知識や技術があったわけではありません。
分からない。
↓
失敗する。
↓
なぜ失敗したのか考える。
↓
また試す。
その積み重ねによって、少しずつ「なぜ?」が分かるようになっていきました。
だからこそ、初心者がどこで迷うのかも分かります。
・もっと磨けば傷が消えるのでは?
・強く押し付けたほうが磨けるのでは?
・コンパウンドを変えればいいのでは?
そう考えてしまう理由も分かります。
そこで、20年以上の現場で積み重ねてきた経験を、単なる作業手順としてではなく、
・なぜ、その方法なのか
・なぜ、その道具なのか
・なぜ、そこで止めるのか
・なぜ、別の方法ではうまくいかないのか
まで含めて学べる形にまとめました。
それが「抑熱研磨法独習シリーズ」です。
全くの初心者でも、知識を一つずつ積み上げながら、磨きについて考えられるようになることを目
指したマニュアルです。
ポリッシャーも初心者が扱いやすいバフのふり幅が非常に小さく、力を入れ過ぎれば回転が止まる
ようなポリッシャーを推奨し、
熱に頼らずとも効率よく磨くことができるように油脂分を極限まで抑え、また、WAX分などのつや
出し材などを配合しない水性コンパウンドを開発しました。
もちろんバフも新たに考えたものです。
このように、初心者がなるべく失敗せず、学びやすさを考えた材料をセットにしています。
車磨きは、削ることではなく「整える」こと
車磨きという言葉から、
「塗装を削って傷をなくす」
というイメージを持っている方も多いと思います。
しかし、私が20年以上の経験からたどり着いた考え方は少し違います。
車磨きは、単純に削る作業ではありません。
塗装の状態を見て、
・どこまで磨くのか。
・どの方法を使うのか。
・どの道具を使うのか。
・どこで止めるのか。
それを判断しながら、塗装をより良い状態へ「整えていく」作業です。
だから私は、
「車磨きは削ることではなく、整えること」
と考えています。
そして、その判断力を身につけるために必要なのが、「なぜ?」を理解することなのです。
あなたも、最初から上手くなくていい
もし今、
「車を磨いてみたいけれど、失敗するのが怖い」
と思っているなら、最初から上手くやろうとする必要はありません。
私自身も、最初は何も知りませんでした。
そこから失敗し、疑問を持ち、試し続けてきました。
その経験を、今度は「学べる形」に整理しました。
もちろん、マニュアルを読めばすぐにすべての車を完璧に磨ける、ということではありません。
実際の車の状態を見て判断する経験も必要です。
しかし、少なくとも、
・なぜ、そうするのか
・なぜ、失敗するのか
・何を見て判断するのか
を考えながら磨く癖をつける。
これを意識することで、自然と知識が備わってくるのです。
知識があれば、不安だったものが「考えて判断できるもの」に変わっていきます。
車磨きの最初の一歩は、ポリッシャーを握ることではありません。
「なぜ?」を知ることから始まります。
「磨いてみたい。でも失敗するのが怖い」なら
最初から上手くなくていい。
まずは、車磨きで何が起きているのかを知る。
そして、
・なぜ、この方法なのか?
・なぜ、ここで止めるのか?
・なぜ、この塗装では方法を変えるのか?
を理解する。
その積み重ねが、あなた自身で磨きの答えを導き出す力になります。
「抑熱研磨法独習シリーズ」は、車磨きの知識がない方が、一から学べるように体系化したマニュア
ルです。
まず、初心者向けの材料で「磨き」を知ってください。
次回は、「抑熱研磨法独習マニュアル」の簡単な内容も踏まえて「抑熱研磨法」についてご紹介しますね。


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