「ポリッシャーを押し付けるほど磨けると思っていませんか?」実はその逆が正解です。
ポリッシャー作業での最大の失敗は「押しすぎ」と「回しすぎ」。
プロの仕上がりを生み出す秘訣は力ではなく、ポリッシャーの自重を活かした“ごく軽い圧力”と、
焦らず“均一に動かす”繊細なコントロールから生まれるのです。
正しい使い方は「力を込める」のではなく、「面を滑らせる」感覚。
この記事を読むことで、初日からプロのような操作ができるようになり、塗装を傷める「焼き付
き」や「ムラ」のリスクを大幅に減らせます。
まずコンパウンドの飛び散りを防ぐプロの塗布方法から解説。
続いて、初心者が最も知りたい「圧力・回転数・移動速度」の黄金比を具体的に示し、均一な仕上
がりを実現するための「40~50cm四方の分割磨き」と「縦横クロス法」、
そして絶対に守るべき7つの安全ポイントまで、プロの全技法を徹底的に伝授します。
4-1.バフ掛けとポリッシャーの正しい使い方・圧力・回転数の目安
ポリッシャーは“力任せ”ではなく“繊細なコントロール”が命。
「手で磨く」時のように、力を込めるのではなく、「面を滑らせる」イメージで動かします。
初心者が最も失敗しやすいのが「押しすぎ」と「回しすぎ」。
これを防ぐために、正しい圧力と回転数を知ることが重要です。
◆理想的なポリッシャーの動かし方
《縦横異動で均一な仕上がりを実現》
・バフ面全体を密着させる:ボディに対してバフが常に水平になるように保ちます。(進行方向
とは逆の半面に軽く圧をかけるイメージで)
バフを極端に傾けて「角」で磨くと、一気に塗装を削りすぎてし
まいます。
・低速スタート:まずは回転数を低く設定し、コンパウンドを40~50㎡くらいの範囲に薄く均
一に広げながら磨がいていきます。
・「縦」→「横」の法則(クロス法):40~50㎡の範囲を、まずは「縦」方向にゆっくりと丁
寧に動かし、次に「横」方向に重ねて動かします。
これにより、磨き残し(ムラ)を劇的に減らすことがで
きます。

・一定速度で動かす:秒速5cmほどの一定速度で、同じ場所に留まらないよう注意
◆プロのような輝きは、正しい「動かし方」から生まれる
ポリッシャーを手にしたとき、多くの初心者が感じる不安。
「力加減は?」「どう動かせば?」「回転数は?」。
その疑問を解消し、初日から自信を持って扱えるようになるテクニックをお教えします。
◆コンパウンドの塗布から始まるプロの仕事
《塗り方一つで仕上がりが変わる》
コンパウンドの量は大豆大位を2~3か所程度を目安にバフに点在させます。
この状態で作業面にバフをあて、2~3回ほどカチッ、カチッ、とスイッチの切り替えをしま
す。
そして、その場所から磨き始めていきます。
こうすることで飛び散りを防ぎ、均一な塗布が可能になります。
◆ポリッシャー操作の黄金比(圧力と回転数)
①回転数(rpm)
・目安:シングルポリッシャー:1,000~1,500rpm (最初は低速から)
ダブル、サンダポリッシャー:3,000~5,000rpm(安定した回転で)
・プロのコツ:磨きの種類(粗磨き/仕上げ)に合わせて細かく調整。
《作業段階ごとに変える回転数:推奨ポリッシャー》
・コンパウンド塗布時:中速(回転数「3~4」8,000~10,000rpm)で広げる
・初期研磨:中速(回転数「3~4」8,000~10,000rpm)で効率的に磨く
・中間研磨:中速~低速(回転数「4~2」10,000~7,000rpm)でキメ細かく仕上げる
・仕上研磨:中速~低速(回転数「3~2」8,000~7,000rpm)でゆっくりと徐々に力をぬき
ながら磨き、最後にランダムに磨く
⇒推奨ポリッシャー(京セラRSE-1250)では、力を抜いていくに従って回転数が上がってい
きます。
高回転は研磨力が高い反面、熱を発生させ塗装を傷める恐れがあります。(ただし京セラRSE-
1250の場合は考慮しなくてよいです)
初心者は低めの回転数から始め、慣れるにつれて徐々に調整していくのが安全です。
②圧力(力加減)
・目安:シングルポリッシャー:バフが少し凹む程度(約2〜3kg)
ダブル、サンダポリッシャー:自重をかける程度(約1〜2kg)
力を入れすぎると塗装面の温度が上がりすぎ、ムラや焼けの原因になります。
ポリッシャーの重さを利用するイメージです。
※初心者は、軽い圧力(ポリッシャーの自重程度)をかけるのが理想です。
③移動速度
・目安:シングルポリッシャー:秒速5㎝程度
ダブル、サンダポリッシャー:秒速2~3㎝程度でゆっくり、均一に。
シングルポリッシャーの場合、スピードを上げるとコンパウンドが乾燥し、ムラの原因になります。
◆プロが教える「圧力」の絶妙加減
《軽すぎず、重すぎない絶妙な圧力が鍵》
・ポリッシャーを持つ手に「500g〜1kg程度の軽い圧力」をかけるのが理想的。
「ポリッシャーの重みを預ける程度」とイメージすれば失敗しません。
体験してみるには、量の上に手を置いて、500g~1㎏まで押してみるとわかりやすいです。
・強すぎる圧力は塗装を傷め、弱すぎると効果が出ないため、この絶妙なバランスがプロの仕
上がりへの近道です。
4-2.均一に仕上げる磨き方と安全ポイント
◆美しい鏡面仕上げは磨きの「均一さ」が見栄えを左右する
プロの仕上げとアマチュアの仕上げの違いは磨きの「均一さ」。
どれだけ丁寧に磨いても、ムラがあれば台無しになってしまいます。
そこで、均一な仕上がりを実現する極意と、愛車を傷つけない安全ポイントをご紹介します。
◆バフはこまめに清掃し、キレイなバフを使用する。
コンパウンドの固着を防ぎ、深い傷が入るの防止できます。
◆均一に磨くために分割して磨く
《広い面積も計画的に分割して確実に》
・作業エリアを区切る:ボンネットやドアなどの広い面は、約40~50cm四方の区画に分けて
作業をする。
・区画ごとの完成度を確認:一区画ごとに光の反射を確認し、完璧に仕上げてから次へ移動す
る。
・境目を「ボカす」:ブロックとブロックの境目は、前のブロックと少しオーバーラップ(重
ねる)させて磨き、磨き始めと磨き終わりのムラを自然に繋げます。
◆光の使い方でムラをチェックする
《光の反射を利用する》
均一さをチェックするには、様々な角度から光を当てて確認することが重要です。
特に太陽光や強力なLEDライトを斜めから当てると、微細なムラや渦巻き模様の研磨痕が良く
見えます。
こうした「光の使い方」がプロ品質のコツとなります。
◆塗装を守るための最重要安全ポイント
1:熱に細心の注意を払う!
特にシングルポリッシャーでの磨き作業中は、塗装面が熱を持ちます。
夏場や、同じ箇所に長時間ポリッシャーを当て続けると、塗装が焼けたり、最悪の場合、クリ
ア層が剥がれる原因になります。
塗装面を触って「熱い」と感じたら、すぐにその箇所の作業を中断し、冷やしてください。
2:マスキングを過信しない
マスキングテープは保護してくれますが、ポリッシャーを強く当てれば破損します。
マスキング箇所は、ポリッシャーの回転数を落とし、圧力をほぼかけずにそっと撫でるように
作業しましょう。
3:同じ場所での集中研磨の禁止
一箇所に留まると熱が集中し、塗装を焼く「焼き付き」の原因に。
4:エッジ部分の扱い
ドアの縁やボンネット端などのエッジは、バフが変形して強い圧力がかかりやすいため注意す
る。(特にこの部分は塗装が薄くなっています)
5:垂直面の扱い方
ドアなどの垂直面は、下から上へと動かすことでコンパウンドの垂れを防止できます。
※低粘度のコンパウンドは、垂れ防止策として、パネルではなくバフにつけて磨きます
6:作業中は必ず保護メガネとマスクを着用
粉塵や目に入る可能性のある物質から自分を守ることが大切です。
※特に「TAKUMI OPS PROシリーズ」のような、排出性に優れたものは、特に重要です。
7:ポリッシャーのコードや周囲にも気を付けて動くことを忘れずに
転倒や事故を避けるため、作業環境を整えてから始めましょう。
◆トラブル発生時の対処法
《万が一のときも慌てない》
・バフ焼けが発生したら:コンパウンドを付けて周辺部分も含めて低速・低圧で再度均一に磨
き直す。
・磨き傷が残ったら:より細かい目のコンパウンドで、方向を変えながら再度磨く。
・コンパウンドが乾いてしまったら:新しいコンパウンドを少量追加するか、もしくは軽く霧
吹きをして低速で再度活性化。

次のステップへ:
基本の使い方をマスターしたら、次は「仕上げ」です。
実は、ここが仕上がりの美しさを分ける最も重要なポイント。
次のセクションでは、磨きムラを残さない仕上げ磨きの極意と、
失敗事例の解決法をご紹介します。
次回は、
「ポリッシャー車磨きが初心者におすすめな理由と基本知識【プロの仕上編】」をご紹介します。


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